和名 ウチョウラン 羽蝶蘭 
羽を拡げた蝶に、花を見立てた。
学名 Ponerorchis graminifolia Rchb.f. var. graminifolia
分布 本州、四国、九州、伊豆諸島。外国では、朝鮮半島。
生態と形態 暖温帯で、山の湿った崖や岩場に生える。イワヒバやスゲなどの根元に寄り添って生えることが多い。
茎の下部に線形の葉を2〜4枚つけ、花期の高さは10〜30cmとなる。
花は数個〜20個つく。花は淡い紅紫花が普通であるが、色や模様は変化に富む。 白花は品種としてシロバナウチョウランと呼ばれる。
花期 6〜8月

参考書: 日本のラン ハンドブック @ 低地・低山編、 カラー版 野生ラン(家の光協会出版)


2009/7/5

ウチョウランは良くスゲの中に生えている。幅の広いのがウチョウランの葉。


2004/7/17
2004/7/25
 ウチョウランは、大豆ほどの球根から春に芽を出し、 夏に花を咲かせ、晩秋には地上部は枯れます。

その間に、新しい球根を作りますが、もとの球根はなくなります。 新しい球根が2個できれば、毎年、2倍に増えます。1個しかできなければ、もとの1株のままです。 不幸にして新しい球根ができなかったら、終わり。
 ところで、この大豆ほどの球根が、1粒160万円の価格がついた、など信じられますか。 「自然と野生ラン(1988年9月号)」の「ウチョウラン250種価格ランキング」を見ると、 トップは国紅(こくべに)で160万円台となっています。
 今では、人工交配で自然界にはなかったような珍しい花が作られています。 夏になると、量販店に千円前後で大量生産されたウチョウランの鉢が並んでいます。 それでも野生の株は採られています。「山採り」というだけで人工交配のものより高値がつくそうです。
 自然界のなかから良いものを選抜して優秀な品種を残していくのが、農耕民族。 羊などの牧畜を生業をする民族は、交配の繰り返しによって良い品種を創り出す。
 チラッと聞いた話ですが・・・ 千円もあれば見事な花が手に入るのに、命がけで岩壁の株を採ろうとするのは、農耕民族の血が駆り立てるためでしょうか。 洋ランの世界でもやはり、「山採り」が幅を利かせているようで、中南米やアジアの遠い外国に遠征する日本人がいるらしい。

2008/8/8

 切立った岸壁を見上げていた友人が、ウチョウランがある、という。 岸壁に咲く 岸壁に咲く ちょっとした岩棚になっていて、私の眼にもどうにか見えました。 前は、もっともっとあった、というが、今は、ここにしか見えませんでした。
 下から見上げるだけで、近づけませんから、持っていた50mmマクロのレンズでは、これが精一杯。
 むかしは、ウチョウランを採ろうとして、岩場から落ちて死んだ者が何人もいたそうな。 ブームがひいたこの頃では、そんなことは減ったでしょうが、今でも、目に付く所では、すぐに消えてしまいます。

 別の日の、別の場所でのことですが、友人と二人で渓流沿いの道を歩いていました。 渓流の傍に咲く 渓流の傍に咲く
 彼が、カメラと三脚をもって、流れと反対側の藪を少し上がった。 そこに聳えている岸壁に、ウチョウランを見つけて、撮影しようという訳です。
 私には無理。崖の下まで行けば、姿は見ることができるでしょうが、50mmのマクロレンズではとても写真にはなりません。
 そちらはあきらめて、歩道の渓流側の平らな岩場に下りました。そこでスゲと一緒に生えているウチョウランを3株ほど見つけました。
 ここ数年は、見つけたとしても近づきがたい岸壁の花を恨めしそうに眺めるだけでしたが、この時ばかりは花に顔を近づけて何度もシャッターを切りました。
追伸: その後、果実を付けているウチョウランの姿も写真に撮りたい、と思って、そこに行ったのですが、1株も見つけることができませんでした。

2012/9/1

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