和名 ツチアケビ 土通草
果実の形がアケビに似ている。
学名 Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay
従来は、Galeola septentrionalis Rchb.f.としていた。
分布 北海道(南部)、本州、四国、九州、琉球列島、伊豆諸島。外国では、中国南西部、朝鮮半島。
生態と形態 冷温帯~暖温帯の落葉広葉樹、杉林などの、やや湿度の高い場所に生える。菌寄生植物であり、光合成する葉はない。
地下茎は太く、長く、分枝して横に這い、多くの茎を地上に出す場合が多い。
茎は肉質で硬く、直立して高さ40〜100cmになる。上部は分枝して多数の花をつける。
果実は多肉質(液果)で、熟しても裂けなし、種子はランとしては極端に大きい。ツグミなどの鳥類が果実と啄んで、種子を散布する。 (ふつう、ラン科の果実は乾果で、熟すと開裂し、微小な種子を風に乗せて散布する。)
花期 6〜8月
参考文献・サイト ツチアケビにおける鳥による種子散布

参考書: 日本のラン ハンドブック @ 低地・低山編、 カラー版 野生ラン(家の光協会出版)


2006/5/25

後ろの方に、真っ黒に見えるのは、昨年の果実である。 手前に、今年の花茎がぐんぐんと丈を伸ばしている。この二つは、おそらく地下では繋がっている。

2006/5/14 2006/5/25 2006/6/7

花茎が枝分かれするのは、日本のランの中では珍しい。

2006/6/16 2006/6/16 2006/6/29

ツチアケビは、一斉に開くことはない。開いたもの、蕾、もう果実になり始めたものなどが、ひとつの花茎に付いている。

2006/6/29 2006/6/29 2006/6/29 2006/7/12 2006/8/8 2006/10/24

果実の重さに負けて、倒れてしまった。 左後ろに、昨年の、真っ黒い果実が見えるが、このように立ったまま、まる一年を過ごすことは珍しい。


同じ個体を、左から 5/14、6/7、 6/16に撮影

同じ個体を、左から 12/5、1/22、5/14に撮影
果実は鳥や動物に喰われることなく、腐ったようだ。

タネは、1mm四方に4粒載るほどの大きさだが、他のランに比べると、格段に大きい。(すべて、1mm方眼紙に載せて撮影した。)


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ツチアケビの実を喰うものは?

 「無数の小さなタネを風に乗せて飛ばす」という
鳥が啄ばんだか、動物が齧ったか 鳥が啄ばんだか、動物が齧ったか 1mm方眼紙に載せて撮影。
他のランと比べると大きめのタネと澱粉質の果肉が詰まっている。
1mm方眼紙に載せて撮影。
他のランと比べると大きめのタネと澱粉質の果肉が詰まっている。
ラン科の大原則?に反するのが、ツチアケビです。
 ツチアケビの果実は、ほんとにアケビの実に近い大きさで、一株にたくさんの実をつけますが、熟しても割れ目はどこにもできません。 タネも、ほかのランに比べると極端に大きくて風で飛びそうもありません。

 それでは、どうやって種まきをするか?ということですが、どうもはっきりしません。 「果実をキジバトがついばんでいるところを見た」と朝日百科植物の世界に書かれているのが唯一の情報です。
 鳥が啄ばんだ、あるいは小動物が齧ったという証拠の写真はあるので、これが種子の運び屋だろうと想像していますが・・・

2009/ 1/ 9

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