和名 セイタカスズムシ 背高鈴虫 
学名 Liparis japonica (Miq.) Maxim.
L. liliifolia var. japonica とし、 スズムシソウ L. liliifolia とは変種関係にあるとする説もある(「野生ラン」家の光協会発行)。
分布 北海道、本州、四国、九州。外国では、朝鮮、中国など。
生態と形態 林床に生える多年草で、冬は地上部は枯れ、球茎(バルブ)も毎年更新する。
スズムシソウに比べて、花茎は高く、花は小さい。花特に唇弁の形や色は大きな変異が見られる。
 四国には次のようなタイプが見られる。
@ 花茎の背は高いが、唇弁がスズムシソウのように円形ではなく、むしろ方形に見える(これを 方弁タイプ とした)。
A 唇弁はスズムシソウに似て円形であるが、花茎はスズムシソウより低く、花数も少ない(これを 円弁タイプ とした)。
花期 6月〜7月
参考文献・サイト Taxonomic Status of Lipairs japonica and L. makinoana (Orchidaceae) : A Preliminary Report


2013/6/17

16個の花がついている。しかし、図鑑に載っているセイタカスズムシと比べると、花茎は低く、花数もすくない。

唇弁は円形に見える。唇弁の両側が緩やかに下に折れ曲がっているが、方弁タイプのように強く折れ曲がることがないので、円形に近いように見える。緑一色。側花弁は紅紫を帯びる。


2013/6/17
2012/6/22

この個体は、唇弁がわずかに紅紫を帯びる。


2010/6/9

図鑑とは違う、2つのタイプ

 手許の図鑑「カラー版野生ラン」(家の光協会発行)では、 タイプ1
唇弁が長方形に見える。
よく見るタイプ (唇弁が四角い)
スズムシソウのページとセイタカスズムシのページが見開きになっていて、 両方を比較するのには、たいへん便利です。
 セイタカスズムシのページには、「スズムシソウによく似ているが、花は小さく、花茎はむしろ高い」と書かれています。 この図鑑の両者を見比べると、「セイタカスズムシ」の和名をつけたことが納得できます。

  四国には、2つのタイプのセイタカスズムシがあり、両方とも図鑑に載っているのとは違うようですし、セイタカスズムシの名に相応しくありません。


タイプ1(方弁タイプ)

 これは、四国では、よく見かけるタイプです。唇弁の両側が折れ曲がって、上から見ると四角形の弁当箱のようです。 色は、暗い紫の入った、くすんだ色で、透明感はありません。これらの点で、図鑑のセイタカスズムシの花とは、大きく異なります。(仮に、方弁タイプとする)

タイプ2(円弁タイプ)

 次は、 タイプ2:唇弁が丸い。 唇弁が丸いタイプ スズムシソウのように、唇弁が円形をしたタイプです。 今までに見たのは、高知県東部と徳島県でそれぞれ一箇所だけですが、探せば、まだまだ出てくることでしょう。
 先に書いた「タイプ1」とは、花の形だけでなく、草丈が低い点、花数が少ない点でも大差があります。
 唇弁の形は、図鑑に載っているセイタカスズムシに似ています。 しかし、花茎はずっと低く、花の色は緑、花数も少ないことなどの違いがあり、同じものだと断定することはできません。(仮に、円弁タイプとする)

 セイタカススムシは、北は北海道から、南は九州まで、広く分布していますが、 この2つのタイプは、地域的な特異性というだけで片付けることができるでしょうか。 それとも、新種あるいは変種として認められるべきものでしょうか。

2012/9/3

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