和名 イヨトンボ 伊予蜻蛉 
発見された産地の伊予(愛媛県)にちなむ。
学名 Habenaria iyoensis (Ohwi) Ohwi
分布 本州(関東地方以西)、四国、九州。外国では、台湾。
生態と形態 暖温帯〜亜熱帯の、湿り気のある土手、法面などに生える。
根茎から茎が伸びて、基部に広倒披針形の葉を、3〜8枚、地面に接するようにロゼット状につける。
花期の高さは10〜25cmとなり、上部に3〜15個の花をつける。 花は淡黄緑色で、唇弁は3裂し、側裂片は捩じれて横に広がる。
花期 8〜10月。四国では、9月まで。

参考書: 日本のラン ハンドブック @ 低地・低山編、 カラー版 野生ラン(家の光協会出版)


2009/8/29

 山奥へ続く林道の法面に生えていた。セメントで固めることもなく、削り取ったあとの地面がむき出しになっているので、イヨトンボの格好の住処になっている。

 3〜8枚の葉が、茎の元の方に集まってつき、地表にロゼット状に拡がる。これがイヨトンボの特徴の一つ。

 イヨトンボの名は、発見地の伊予(愛媛県)に因んで、牧野富太郎博士が付けた。 しかし、愛媛県の友人は皆「愛媛県には無い」という。四国では本家になくて、高知県と徳島県だけらしい

2014/9/3

 唇弁が、大きく3つに割る。中央の裂片は真っ直ぐだが、両側の裂片がくねくねと捩れる。







左は若い果実(2005/10/12)、右は殻(2005/1/16)

 奥山の部落へ通ずる車道の脇の急斜面に生えていました。 土と小石が剥き出しになっています。 ぼろぼろ崩れることもなく、薄暗いせいか大きな草類は生えていません。
 ランは他の植物と競争せず、樹上にあるいは太陽の恵みの少ない薄暗い場所に隠遁して暮らします。 とくにイヨトンボは、3〜5枚の葉を地表に張り付くようにロゼット状に広げています。 たとえ芝のように背の低い草でも、その中でイヨトンボは生きていけないでしょう。
 ダンプカーも頻繁に行き交う道の法面ですが、数少ない居住地。どうぞ、拡張工事で削り取られたり、 セメントで塗り固められたりせられませぬよう。

 「トンボ」がつくランの名前は20ぐらいあります。 (「チドリ」の約30にはかないませんがね。)
 イヨトンボは、採取した自生地のイヨ(伊予=愛媛県)とミズトンボ属のトンボとを結合しただけと言えばそれまでですが、 このランの姿を言い表せてないようで惜しい。 両側へ曲がりくねり伸びた髭を見て、何かピッタリのあだ名を考えてやって下さい。

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