和名 アキザキヤツシロラン 秋咲八代蘭 花期と、発見時の産地熊本県八代による。
学名 Gastrodia confusa Honda & Tuyama  種小名 confusa は「混乱した」という意味。花序が整っていないことを指す(?)。
分布 本州(関東地方以西)、四国、九州、伊豆諸島。四国では海岸や河川に近い低地に多い。外国では台湾。
生態・形態 暖温帯の竹林に生える。孟宗竹の朽ちた古株の上やその周りが適地である。 菌寄生植物で、葉緑素を全く待たない。
花期の茎は、高さ3〜15cmで、頂部に2〜8個の花が集まって付く。
花は緑褐色で、萼片と側花弁が合着して筒状で平開しない。
受粉すると、花柄が急速に伸びて、高いものは40cmほどにもなる。
花期 9〜11月。四国では10月中旬〜11月上旬。
参考文献・サイト 四国におけるハルザキヤツシロラン,アキザキヤツシロラン及びクロヤツシロランの分布

参考書: 日本のラン ハンドブック @ 低地・低山編カラー版 野生ラン(家の光協会出版)


2010/10/22

孟宗竹の林床の、落ち葉の中に生えている。


10/15

開花前の蕾の状態

11/9

結実して、花柄が伸び始めている。

12/29

タネを飛ばして、果実はほとんど殻だけになっている。地表からの高さはおよそ30cm。

12/16

クロヤツシロランとの見分け方

 クロヤツシロランとアキザキヤツシロランは花の咲く時期は同じです。 アキザキヤツシロランは竹林以外ではあまり見られませんが、クロヤツシロランの自生地は常緑広葉樹林、杉林などのほか竹林にも生えて、 左はクロヤツシロラン
右はアキザキヤツシロラン
左はクロヤツシロラン、右はアキザキヤツシロラン
アキザキヤツシロランと隣り合わせに花を咲かせていることもあります。そのせいか、1980年に新種としてクロヤツシロランが発表されるまでは、両者は同じ種として扱われていました。
 しかし、咲いた花を見れば私たちにも簡単に見分けができます。
 @ まづ、クロヤツシロランはほとんど平開に近い状態になるが、アキザキヤツシロランは筒状のままで平開しない。
 A つぎに色は、クロヤツシロランは赤みがあり、アキザキヤツシロランには緑が入っているように見る。
 B 決め手は、クロヤツシロランの唇弁には毛があり、肉眼でもよくよく見ればわかる。アキザキヤツシロランにはこの毛はない。

左はクロヤツシロラン
右はアキザキヤツシロラン
左はクロヤツシロラン、右はアキザキヤツシロラン
 ヤツシロラン類はすべて背が低く、花の色も地味ですから、地表の色に溶け込んで、見つけるのは大変です。 ところが、結実すると花柄がぐんぐん伸びてる。40cmを超す高さになることもあります。このころなら比較的容易に見つけることができます。
 見つかったが、さて、アキザキヤツシロラン? クロヤツシロラン? ということになりますが・・・

果実期の見分け方

 果実を付けている時期の両者の違いは、第一に果実の色です。
 クロヤツシロランの名前は、アキザキヤツシロランに対比して黒っぽく見えることから付いたものでしょうが、 赤黒い、あるいは栗色といった方がより当たっているようです。
 アキザキヤツシロランの方はこれに比べると白っぽく、鼠色に近いように見えます。
 次の違いは花茎の部分です。クロヤツシロランは花柄の出る箇所の間隔が狭いのですが、 アキザキヤツシロランの方はこの間隔が広くなっています。この特徴は開花期からあるものですが、果実期にも残っています。 しかし、これには個体差があり、あいまいなところもありますから、決め手にはならないように思います。

 なお、四国ではこのほかにハルザキヤツシロランがありますが、これは春咲きです。6月にもなればすべて地上から姿を消していますから、混同することはありません。

2010/10/25

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