和名 アキネジバナ 別名 アキザキネジバナ
秋に咲く、ネジバナの品種である。
学名 Spiranthes sinensis (Pers.) Ames var. amoena (M.Bieb.) H.Hara f. autumnus H.Tsukaya
生態・形態 花期が違う以外には、とくに形態に差異は認められない。
ネジバナは、日当たりの良い草原に生えるのが普通だが、この品種は、山地のやや日陰に生える傾向がある。
花期 9〜10月
参考文献 蘭への招待―その不思議なかたちと生態 (集英社新書)
著者塚谷裕一はアキネジバナの命名者である。


2015/9/12

 昨年の9月10日、山間部の車道脇の斜面でネジバナが咲いているのを発見した。20mほどの間に7株。 夏に咲くものに比べて、姿は小型で、花もやや小さい感じである。
 そして、今年は9月12日に、昨年以上の花を咲かせている。狂い咲きなどではなく、間違いなくアキネジバナである。
 ネジバナといえば、日当たりの良い場所に生えるのが普通だが、ここは直射日光は短時間しか差し込まない。

今年も、山蟻が蜜を吸いに来ている。


2015/10/8

ここに載せたのは良く実っているが、全く実を付けていない株もあった。
夏咲のネジバナよりも実率が悪いのは、山蟻のせいかも知れない。

秋に咲いたらアキネジバナ、でいいの?


 9月10日、林道脇の斜面でネジバナが咲いているのを見つけました。
 このあたりではネジバナは6月から7月にかけて咲きますから、 9月に入って咲いていれば、「秋咲き」といって間違いありません。 あまり日当たりの良くない林道脇の崖に咲いていた。 しかし、ネジバナが季節外れの狂い咲きで秋になって咲いたという可能性はないとは断言できません。
 来年の夏、ここに来てネジバナが咲いていたとしたら、これらは普通のネジバナだったことになります。
 アキネジバナはネジバナの品種クラスで仕分けられていますが、 そうであっても、秋に咲くという性質は遺伝的なものでなければなりません。 来年も、再来年も秋に咲くはずです。また、そのタネから生まれた株も秋咲きになるはずです。
 そんなわけで、来年の秋アキネジバナであると同定できるまでは、アキネジバナの後に(?)をつけ加えることとしました。

2014/9/24

追記:
「ネジバナは南西諸島では三月四月に咲き出し、北海道では八月九月に及ぶ」となると、 ある場所のネジバナが毎年、毎年秋に咲くからといって、アキネジバナだと言いきれないかもしれません。
 四国という地域に限定しても、平地では6・7月に咲くものが、標高の高い場所では8・9月になるかもしれません。
 厳格に判定するには、普通のネジバナとアキネジバナだと思うものとを同じ条件の場所で育てて、 前者が夏に咲き、後者が秋に咲くことを確認しなければならないでしょう。

2014/10/2

追記:
 昨年の9月に咲いているネジバナを2か所で観察した。そして、今年も同じ場所で、9月に咲いているのを確認した。(夏に咲いていないことも確認している。)
 アキネジバナの後に付けていた「?」は取ることにした。

2015/9/24

開花時期の差以外に、形態の違いは明確ではない


 手元に 蘭への招待―その不思議なかたちと生態 (集英社新書) があります。



 著者である塚谷裕一氏はアキネジバナの命名者です。
 この本の130ページから135ページにかけて、アキネジバナのことが書かれていますので、その一部を引用します。(引用した部分は太字で示した)

 ネジバナは南西諸島では三月四月に咲き出し、北海道では八月九月に及ぶ。 夏咲と秋咲きの存在を明らかにしたければ、この地域差による影響を補正しなければならない。


 そこで著者は各地域の年間平均気温調べ、標本を全国的に調査して、次のように結論付けています。

 年間平均気温に従って開花時期がずれるものの、大多数は夏咲きとみて良いことがわかった。 そうしてその反面、一部で、極端に他のものより遅く咲くものがあることが確認されたのである。

 また、変種ではなく品種としたことについては、次のように説明しています。

 開花期が明らかに違うにしても、遺伝子の交流がとだえてからまだ間もなく、実質的な差は生じていないのではないか、 (中略)標本を見比べても、明瞭な特徴は見つからない。
 小型のものが多いような気がしたが、例外もあって、夏咲きの標本より大きい株の標本も採られている。(中略)
唯一気づいたのは、秋に咲くためか、手持ちで栽培している秋咲きの株は冬越しのための葉ができないことであった。が、これは花のない時の性質なので、花がないと標本と見なされない、(後略)

2014/9/25

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